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■第五回■
<日本人のリズム>
音楽にとってリズムは欠かすことが出来ません。日本人のリズム感は次のようなかたちに、分類してみました。
①水田稲作民のリズム/2拍子のリズム
水田や畑で農作業をするときは、両手両足を交互に使いながら前進や後退を繰り返します。
狭い村の集落では、日常自分の足で歩く以外、躍動的なリズムに出会えるチャンスが大変に少なかったわけです。なるべく慎ましく目立たぬように、生活をする中で、腰を落とし静かに歩く方が良かったわけです。
こうした日常的な身体の使い方により、自然なかたちの2拍子のリズムが形成されていきます。
●2拍子のリズム●心臓の鼓動
人間が胎内で聴覚が働くようになって初めて聞いた音、それが心臓の音ですから心臓の鼓動に近い2拍子のリズムは、安心感や安らぎをもたらすリズムです。▲草刈り唄、もみすり唄
②漁労民のリズム/波乗りの上下のりズム
波のリズム感は上下のリズム感です。九州、瀬戸内等の漁労民の方々は共通のリズム感があります。日本の漁民は稲作文化の影響で上下のリズムがやや弱いのですが、「牛深ハイヤ節」や熊本の「ハイヤ節」などは、縦のリズム感で構成されています。
瀬戸内では、稲作文化の影響がさらに強まり、稲作農耕民のリズムが重なり創り出されています。「阿波踊り」などは、腰を落とし、手や足でリズム感を出しています。▲一方、民族習慣の違いでは、ハワイ島などのポリネシア系住民達は、アウトリガーをつけた船で縦揺れではなく、横揺れのリズムとなります。●ハワイアンの踊り
③山村民のリズム/はずむリズム
代表的に考えられますのは、神楽です。日本各地の山村には、ダイナミックな神楽が存在しています。
このダイナミックさは、地形的な要因からと言えるでしょう。
山村には、急な坂道に家があったり、仕事も生活も山の斜面などが生活文化の一つと考えます。この斜面を上り下りするときに、膝や足首などが柔軟でないと生活できません。こうした身体の使い方でかかとを浮かし、膝の弾力で弾む動きが神楽に反映されてきました。
また、山村の人々は呼吸法がとても上手で、息継ぎの少ない唄も平然と唄いあげます。▲盆踊り唄などに象徴される。北海本唄・相馬本唄等
④狩猟民のリズム/ビートのあるリズム
日本では非常に少ないリズムです。
北海道のアイヌ民族が代表されます。数人で踊る「鶴の舞」は飛び跳ねるように踊り、1拍ごとにビートがあり、その声にもビート感があります。
⑤牧畜民のリズム/3拍子系のリズム
日本では、牧畜民の生活を何処にと断定するのは難しいのですが、基本的には馬と人間とのリズムバランスです。このリズム感は大変に難しく、人間の歩くリズムとは違い、予備的に弾みながら、強弱をつけながら躍動的なリズムになります。
このリズムは、津軽民謡に代表されます「津軽あいや節」や「津軽じょんがら節」などは、強-弱-強(弱-強-弱)という3拍子のリズムです。▲現実的には、アイヤ節は強-弱-弱のフラメンコのリズムで、スローテンポで唄う。※じょんがら節は強-強-弱です。
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